【 概 要 】−案内板によると「この建物は明治44年12月22日、前橋市岩神町(現、昭和街三丁目)に、国立原蚕種製造所前橋支所の本館として建てられたものである。当時、政府は、全国で養蚕の盛んな群馬県、福島県、京都府など6地方に原蚕種製造所の支所を設けたが、現存しているはこの1棟だけである。玄関のエンタシス状の柱、レンガ積みの基礎、上下開閉窓、入口のドアの低い取手、避雷針の設置など、明治末期の代表的な擬似洋風木造建築物の特徴をもっている。国立原蚕種製造所前橋支所は、多くの優れた研究を完成し、わが国蚕糸業の振興に大きな貢献を果たしてきた。その後、名称は蚕業試験場、同養蚕部などと改称されたが、昭和55年1月、茨城県筑波学園都市の農林水産省蚕糸試験場に統合された。前橋市では、昭和56年、国から払い下げを受け、ここに解体、移築し、前橋市蚕糸記念館として設置し、糸の町前橋の象徴とした。」とあります。建物は木造平屋建て、切妻腰折屋根、瓦葺、外壁は下見板張り、縦長の上げ下げ窓、玄関ポーチには飾り柱や妻面の意匠など当時の洋風建築の要素が取り入れられています。旧蚕糸試験場は昭和56年に群馬県指定重要文化財に指定されています。
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