【 概 要 】−赤岩集落(群馬県中之条町六合村)は養蚕を生業にしてきた農山村集落です。個々の建物が文化財クラスと言う訳ではありませんが、江戸時代後期から明治時代に建てられた主屋や土蔵、付属舎、庭といった基本構成からなる屋敷が連続して、当時の日本の原風景的な景観を保持しています。又、集落内には上の観音堂や毘沙門堂、東堂、向坂の観音堂、赤岩神社といった小さな宗教施設が残っているのも特徴の一つで現在でも大切に維持管理がなれて当時の生活の一端を見ることが出来ます。歴史的には湯本家(湯本家住宅は土蔵3階建て、切妻、金属板葺き、平成11年六合村指定重要文化財に指定。)は幕府批判をした事で罪人となり脱獄した高野長英が隠れ住んでいたと言われています(同じ中之条町にある沢渡温泉にも高野長英を匿ったとの伝承が残されいます)。湯本家は、隣町にあり日本三名泉にも数えられている草津温泉の湯守を歴任した後裔、又は一族とされ、家伝を信じれば湯本家の祖は木曽義仲の家臣で、娘が義仲の愛妾として子供を授かり湯本家を継いだ事になります。戦国時代には土豪として周辺を支配し、真田家に従い多くの合戦にも参加しましたが、武田家が滅びると赤岩集落に土着し、開発に尽力する事で赤岩集落の名主になったと伝えられています。一族の一部はそのまま草津温泉(日本三名泉)に留まり湯守などを引き続き担い、真偽は判りませんが、旧六合村(中之条町)や草津町周辺には木曽義仲の伝説の地が点在し、興味深い土地柄です。六合村赤岩集落は茅葺屋根集落ではありませんが山村養蚕集落として特色ある歴史的風致を伝えていることから東西約1070m、南北約930m、約63haが平成18年に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
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